売上をいつ認識するかは、受注や請求書発行の日だけでは決まりません。日本基準の収益認識会計基準では、顧客との契約を識別し、履行義務を識別し、取引価格を算定し、履行義務へ価格を配分し、履行義務を充足した時または充足するにつれて収益を認識する、という五つの段階で考えます。
商品の販売では、通常、その商品の支配が顧客へ移った時点を判断します。契約条件、顧客の検収、物理的な引渡し、代金を受け取る権利等の事実を総合して確認します。出荷基準か検収基準かを会社が自由に選び、継続さえすればよいという考え方ではありません。
ただし、国内の商品・製品販売で、出荷から顧客への支配移転までが通常の期間である場合は、出荷時から支配移転までの一時点で収益を認識できる代替的な取扱いがあります。出荷時点の計上がすべて禁止されたわけではなく、適用条件と採用した会計方針を確認します。
売上、請求、入金も区別します。商品提供前に代金を受け取る前受では、通常、直ちに売上とはせず契約負債等を検討します。履行を終えていても請求権が他の条件に左右される場合は契約資産、対価を受け取る権利が時の経過だけに依存する場合は債権として扱うなど、契約の状態に応じた分類が必要です。
返品・値引などで金額が変動する取引、ポイント、複数の商品とサービスのセット、本人と代理人、委託販売も個別の論点です。委託先へ商品を置いただけで必ず売上になるとは限りません。サブスクリプション等のサービスでは、提供期間に応じて履行義務を充足する場合もあります。
この説明は日本基準を中心とします。中小企業向けの会計指針・会計要領、税務上の取扱い、IFRS等を一律に同じものとして扱いません。システムは出荷・検収・サービス提供・請求・入金を別記録で保持し、適用する基準と契約に合わせて会計へ連携します。