利益の金額だけでなく、どれだけの資源や資本を使ったかを見るために収益率を使います。ROAは利益÷総資産、ROEは一般に当期純利益÷平均自己資本で表す収益性指標です。
連結の公表指標を比較するときは、ROEの利益に親会社株主に帰属する利益を用いるかなど、対象と定義をそろえます。自己資本と純資産全体も同一とは限りません。分母は原則として対象期間に対応する期首・期末等の平均を検討します。
ROAの分子には目的に応じた利益を使うことがあります。内部管理で別の利益や投資額を用いる場合は、「営業利益ベースROA」など名称と算定方法を示します。本節の簡略例では、記載した利益と資産額をそのまま使います。
どちらか一つが常に優れているわけではありません。資金調達・レバレッジ、リスク、事業の段階で解釈が変わります。ROICと資本コストの比較や、現金・品質等の指標も併せて評価します。
東証は2023年からプライム・スタンダード市場の上場会社に資本コストや株価を意識した経営を要請し、2026年4月には経営資源の適切な配分を中心に取組みのポイントを更新しました。これは全ての中小企業へ一律に課す法令ではありませんが、使った資本に対する収益と将来の価値を説明する視点として参考になります。