LESSON 06 / 48

第2節 原価を分類する目的と範囲

実際原価・標準原価・原価差異

読了目安 約3分第1章
音声で学ぶ本文を見ながら、音声でも確認できます。

実際原価は、実際の消費量や作業時間に基づく原価です。実際消費量に実際価格を掛けるほか、実際消費量に予定価格を掛けて計算することもあります。予定価格を使うだけで標準原価になるわけではありません。

標準原価は、標準消費量・標準作業時間などと標準価格・標準賃率を組み合わせて計算します。標準は作業研究や実績分析等に基づき設定し、通常生じる材料の減損や作業上の余裕なども考慮します。

例えば、標準材料費が1,000円/kg×2kg=2,000円、実際の材料費が1,050円/kg×2.1kg=2,205円なら、差は205円です。価格と消費量のどちらが変わったのかを分けて分析すると、購買や作業の改善に役立ちます。

標準の厳しさには種類と目的があります。理想的な条件の標準、正常な条件を想定した標準、現実的な条件に基づく標準などを区別します。予算に使う際は、予測価格・数量・設備能力等と前提が一致するかを確認し、必要な部分を見直します。常に厳しさを緩める、という一律のルールではありません。

財務会計では、標準・予定原価と実際額との差異を適切に処理して在庫と損益を確定します。実際額の記録は不要にならず、差異が生じた理由、金額の重要性、標準設定の適否などを確認します。

税務上の原価差額調整は別の取扱いです。法人税基本通達5-3-3には、総製造費用に対して概ね1%以内の一定の原価差額について、計算明細を確定申告書に添付する等の条件付きで調整を要しない取扱いがあります。1%を会計全般の無条件の費用化基準とせず、対象範囲や他の通達も確認します。

このレッスンの用語

用語集へ
予定価格

原価計算のため事前に設定した価格。実際消費量×予定価格も実際原価となり得る。標準原価では標準消費量と組み合わせる価格標準に予定価格等を使う。

単価と金額

単価(円/個等)に数量を掛けると金額(円)になる。数量を掛ける前に、表示が1単位当たりか総額かを確認する。

原価差異

標準・予定等に基づく原価と実際額との差。実際が標準を上回る場合も下回る場合もある。同じ数量・作業量・期間で比較し、原因を分析する。

標準原価の数量と価格

標準消費量・標準時間と、予定/正常価格等の価格標準を組み合わせる。予定価格を使っても、数量が実際消費量なら実際原価となり得る。

標準消費量・標準時間

作業研究・時間研究・実績分析等に基づき、必要な消費や作業の基準として設定する量。通常の減損や時間的余裕等を考慮し、条件変更に応じて見直す。

ここまでの内容を確認できましたか?

完了にすると、学習の記録に保存されます。

改訂版 基準日 2026.10.31

参考資料と適用範囲を確認する

制度の対象・適用時点は本文を参照してください。取引や企業によって取扱いが異なります。

2026年10月31日を基準に改訂した学習用教材です。改訂本文に対応するナレーション音声を再生できます。教材について